名古屋城のシンボル飾りである金のしゃちほこ。その豪華さとは裏腹に、金鯱の値段や価値については意外と知られていないことが多いです。
本記事では、金の使用量や最新相場をベースに、金鯱1対の現在価値と復元に必要な費用を読み解きます。
さらに、名古屋城木造復元計画における金鯱の再現費用や企業協力制度(「金鯱パートナー」など)についても最新情報を交えながら紹介します。
これまでの金鯱の歴史をひもときながら、金の需給と価格変動、復元に必要な財源の仕組みなど、相場目線で詳しく解説します。
目次
金のしゃちほこの値段はいくら?価値と相場をチェック
「金のしゃちほこ」は名古屋城の天守閣に設置された鎧兜をかたどった金色の飾りで、虎の頭と魚の胴体を持つ想像上の生物です。
これに使われている金は非常に高価であるため、その値段や価値に興味が集まります。実際、金鯱の価格を考えるには、まず使用された金の量と純度を理解する必要があります。次項で詳しく見ていきます。
金のしゃちほことは?
金のしゃちほこは、城郭建築の守り神とされ、火災時に鯱が水を噴き出す伝承を持つといわれます。名古屋城の金鯱は雄と雌の一対で、長らく城の象徴とされてきました。
建築が完成した1612年(慶長17年)当時、金の羽板には莫大な量の金が使われており、「金鯱」は財力の象徴でもありました。
鯱(しゃち)自体は織田信長が初めて城に取り入れたと伝えられ、豊臣秀吉は大阪城にも金鯱を飾りましたが、これほど大量の金を使用した例は名古屋城が最も有名です。
その後、尾張藩の財政難により幾度も金鯱は金が抜き取られましたが、常に再度金で飾り直されてきました。
金のしゃちほこに使われた金の量
現存している名古屋城の金鯱(一対)は、1959年(昭和34年)に再建されたもので、18金の金板が使われています。
組み合わせた計量は総計約88kgで、純金換算すると約66kgに相当します。一方、江戸時代初期に造られた初代金鯱は純金215kg(慶長大判1940枚相当)の金が使われていたとされます。
これらの金量に基づき、現在の金価格で換算するとその価値は極めて大きくなります。
現行の金相場(たとえば1gあたり約14,000円)を使えば、現存する金鯱の純金66,000gの価値は約9.4億円、初代の215,300gであれば30億円以上になります。このように、金鯱の値段を考えるには使用量と相場が大きくものをいいます。
現在の金価格での価値換算
最新の金相場を基に計算すると、上記の金鯱に使われた金の価値は膨大です。
以下の表は、現存する雄・雌それぞれの金鯱に使用された金量と、最新相場(1グラム14,324円)による推定価値をまとめたものです。
| 項目 | 雄(金板重さ) | 雌(金板重さ) | 合計 |
|---|---|---|---|
| 金板の重さ | 44.69kg | 43.39kg | 88.08kg |
| 純金換算量 | 33.52kg | 32.48kg | 66.00kg |
| 1gあたり価格 (現行相場) | 約14,324円 | ||
| 推定価値 | 約4.80億円 | 約4.65億円 | 約9.45億円 |
このように、現在の金価格を用いた金鯱の推定価値は一対でおよそ9億円を超えます。
ただし、当時の職人技術や文化的価値は金額では測れず、金鯱本来の価値はそれ以上ともいえます。
金のしゃちほこの歴史と象徴的な役割
金のしゃちほこは名古屋城の歴史に深く結びついており、当初から城の権力を示す象徴でした。
築城時の1612年に設置されて以来、尾張藩の財政難や戦災などにより、金鯱は何度も金が抜かれたり修復されたりする数奇な運命をたどっています。以下に主な出来事をまとめます。
- 1612年:尾張徳川家の居城・名古屋城築城、初代金鯱(雄約2.74m・雌約2.58m)を設置。使用された純金は約215kgと伝えられる。
- 1730~1846年:藩の財政難で3回にわたり金鯱から金が剥ぎ取られ、純度を下げる改鋳を実施。最終的には金網で光沢を隠していた。
- 1871年:名古屋城の金鯱を政府に献納し、国内外の博覧会に出品。1879年に復元されて名古屋城に戻された。
- 1945年:名古屋大空襲により天守閣とともに金鯱も焼失。残骸から取り出された金は市旗の冠飾りや金茶釜に再利用された。
- 1959年:市民の寄付などにより鉄筋コンクリート造の天守閣を再建。同時に大阪造幣局が二代目金鯱を製作し、名古屋城に取り付けた。
このように金鯱は、名古屋城の栄枯盛衰を映し出す歴史的存在です。
そのため、単なる装飾以上の意味を持ち、名古屋市民の誇りでもあります。
金のしゃちほこを復元する費用はいくら?寄付制度も紹介
現在、名古屋市は木造天守の復元プロジェクトを進行中です。
この計画では、当時の木材技術を生かしながら天守閣を元通りにすることが検討されています。公式資料によれば、総事業費は約500億円規模とされており、金鯱の再建もこの費用に含まれています(詳細な内訳は非公開)。
金鯱単体にかかる費用を推定するのは難しいですが、一例として金板の材料だけを換算すると1対で数億円規模になります。
金の加工や取り付け作業、職人の工賃、付帯設備などを考慮すると、復元にはさらに大きな費用が必要と考えられます。
金シャチパートナーと寄付制度
復元事業では市民や企業からの支援も募られています。
名古屋城公式では「金シャチパートナー制度」が設けられており、企業が売上の一部を寄付したり名古屋城関連商品の売上を寄付したりする仕組みがあります。また、クラウドファンディングや個人寄付も行われており、多方面から資金が集められています。こうした資金援助により、金鯱の再現をはじめとする復元事業を賄う計画です。
例えば、これまでに数十社の企業が金シャチパートナーに参加しており、寄付金を提供しています。
市も復元費用の一部を公費で負担する予定で、長期的な支援で木造天守の再建を目指します。
まとめ
金のしゃちほこは名古屋城のシンボルとして、江戸時代から現代に至るまで人々の目を引き続けています。
歴史的には当初215kgもの金が使われ、その価値は現在の金相場で計算すると初代で30億円以上、現存の金鯱でも約9億円に相当します。これらはあくまで材料価値ですが、建築技術や文化的価値を加味すると金鯱の価値は計り知れません。
また、名古屋城の木造復元には総額数百億円の費用が見込まれ、その中で金鯱の再現には1対あたり数億円~十数億円の費用がかかると想定されます。復元事業は企業・市民の寄付を含む多様な財源を活用して進められており、金シャチパートナー制度もその一助となっています。
金のしゃちほこの値段を知ることは、単に金の量を知るだけでなく、歴史的な背景と今後の課題を理解することにもつながります。
この記事で紹介した内容が、名古屋の歴史的遺産である金鯱への理解を深める手助けとなれば幸いです。
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